母の命日に再会

あるご年配の女性からの投稿を
ご紹介します。


お婆ちゃん

母の一周忌法要の帰りの電車の中でのことだった。
ある駅で、一人の老婦人が乗ってきた。
背を丸めた姿が、亡き母にとてもよく似ていた。
 
老婦人は、私の席の前に座るや否や、顔を手で覆い、とても具合が悪そうだった。
やがて、同じ駅で下車したが、雪か降っていてタクシー乗り場には長い列ができていた。

「よろしかったら、お送りしますよ」と声をかけると、遠慮していたが、寒さのためか目がうつろだった。

車

私は駅前の駐車場から車を出し、その老婦人を乗せ、道案内をしていただきなから三十分位でご自宅に着いた。
ベルを押すが早いか、嬢さんか飛び出してきた。

私は、そのお宅の玄関にあった靴を見て思わずハッとして、嬢さんの顔を見た。

もしかして、あのときの娘さんではないかな?!
それは、ちょうど一年ほど前。

タクシー

私か母の看病のため通っていた電車の中で、夜通しの看病が続いたとき、座席にくずれるように座ってしまったことがあった。

ふと気かつくと、見知らぬ娘さんが(高校生だと思うが)、私の荷物を持ち、ベンチで背中をさすってくれていた。
そして、タクシーをひろってくれた。

その娘さんの顔は覚えていない。

くつ

うつむいていた私には、赤い線が入っていて、可愛いシールをつけた珍しい靴をはいていたことだけが記憶にあった。
 
「もしかして、去年、電車の中でお世話になったお嬢さんかしら?」
 
と言うと、びっくりしたように、でもにっこりうなずいた。

雪明り

私は改めて、あのときのお礼を言うことができた。
老婦人は優しい孫娘に抱きかかえられながら、安心したようだった。
 
外はうっすらと雪が積もって、雪あかリの美しい夜の道を帰路についた。
亡き母の命日を特別な思いで過ごしたのだった。

素敵なお話です!
何だか、その光景が目に浮かぶようです・・

それにしても出来たお孫さんですね!

親切な人同志って、ご縁が結ばれるんだね!!


あなたは悔いのない人生を過ごしてきましたか?!


「旅立つ日」


必ず明日を迎えることを約束された人は、この世に誰一人いません
今、出来ることを大切にしまよう!

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最後まで読んで頂きましてありがとうございます。

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