助走

魂が震える話
ゆう けい著より


サッカーゴール

公園にある錆びたサッカーゴールに向かってただ一人、毎日毎日ボールを蹴る少年がいた。

その少年を見つけたのは、春の頃だった。
夏の暑い日もただ一人、汗だくになってボールを蹴っていた。

サッカー少年

秋が過ぎ、日が落ちるのが早まる季節、薄暗いライトの下、ボールもよく見えないのにただ一人、ボールを蹴っていた。

少し心配になり、おもいきって少年に話かけてみた。
しかし少年はこちらを振り向くこともなく黙々とボールを蹴り続けていた。

翌日は自動販売機で温かいココアを2本買って公園に行ったけれど、やはり少年は黙々とボールを蹴っていたのでココア2本を飲んで帰った。

キーパー

さらに翌日、仕事用のカバンとは別に運動靴と着替えが入ったバッグを持っていき、会社が終わってから公園に向かった。
自分がゴールの前に立ちはだかると、少年は一瞬、怪訪な顔をしたがすぐに、力いっぱいボールを蹴ってきた。

ゴールネットに入ったボロボロのボールを少年に蹴り返すと今度は助走までつけてボールを蹴ってきた。

何度か繰り返すうちに、少年は笑顔になった。
「少し休もう」と言うと、彼はキョトンとした顔をしていた。

筆談

少年は耳が聞こえていなかったのだ。
戸惑いを隠しながら、会社のカバンの中から急いでノートとペンを取り出して「少し休もう」と書いて見せた。
少年はコクリとうなずいた。
並んでベンチに腰掛けながら、いろいろなことを筆談で少年と話した。

彼は小学校4年生。
今年の3月に父親を亡くしていた。
母親は遅くまで働きに出ていて、帰ってくるのは20時を過ぎることもあるそう。

父親が亡くなる前までの母親は、毎日家にいて帰りを待っていてくれた。
家に一人でいるのが寂しいから、昔、父親とよくやったサッカーをしに、毎日公園に来ていたらしい。

そんなことまで話してくれることがなんだか嬉しくもあったが、寂しいであろう少年の気持ちを考えると涙が浮かんできてどうしようもなかった。
時折あくびをするふりをしてごまかした。

サッカーボール

その日以降、仕事が早く終わったときには公園に足を運んだ。
クリスマスの日、少年が公園にいるのを確認し、買っておいたサッカーボールを急いでとりに帰り、彼に渡した。

少年は飛び跳ねて喜び、とびきりの笑顔を向けてくれた。
そして、何度も何度も頭を下げた。
目から涙がこぼれていた。

私は熱いものが込み上げてきて、今度はごまかさずに涙を流した。
そして、じつは自分も寂しかったことに気づいた。
価値観の違いで妻と別れ、この春から一人暮らしになっていた。

ゴール

少年が自分の息子とリンクして、涙が止まらなかった。
新しいボールをいつもよりずっとずっと助走をつけて蹴る姿を見てまた泣けた。

年が明け、2月に急な転勤でこの街を離れることになった。
その少年がどうなったのか、もうわからない。
けれど、きっと今も助走をおもいっきりつけて世の中と必死に向き合っているのだと思う。


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最後まで読んで頂きましてありがとうございます。

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